Episode 14

実践エピソード14
〜仕事の基礎教育〜

コーチング★商店主専門コーチング


私がお店の経営をしていた頃、
コーチングを用いてマネジメントを行う中で、
気をつけていたことがありました。


それは、すべてのスタッフに対し、
一律にコーチングスキルを使うのではなく、
コーチングマネジメントを行う対象者を
絞って用いるということです。


お店の中にいるスタッフは、
全員、同じときに入社したわけではありません。

また、同期入社であったとしても、
アルバイトですから勤務回数は、各自バラバラです。

スタッフによって、業務に関する習熟度合いも全然違います。

また、入ってきたばかりの新人はもちろん、
長年勤めているスタッフでも、
新しい仕事を覚えたてのときなどは、
その仕事に対しての知識や要領などは、つかめていません。


そういうスタッフに対して、
コーチングをマネジメントに用いることは
一切しませんでした。

スタッフマネジメントは、
相手に合わせて行なっていく必要があります。

新人には、まずは徹底して
基礎となることを教育【Teaching】していくことが必要です。

そして、教えたことが意識しなくてもできるようになった段階で、
自分で学習【Learning】できるような環境を整えていきます。
コーチングは、この学習の部分でのみ
活用するようにしなければ機能しにくいものなのです。


仕事のことが何も分かっていない新人から、
何か答えを引き出そうとしても、
上司も部下もお互いに辛いだけですからね。


マネジメントの中でコーチングが機能し始めると、
スタッフが自分の考えで動いていくことが多くなっていき、
マネージャーは、自分の時間を作ることができます。


自分の職場をそういう状態にもっていくためには、
まずは、あなたのスタッフの状態が、
どのレベルであるのかを、しっかりと認識することが必要です。

要するに、それぞれのスタッフに対して、
教育を必要としているレベルなのか、
学習することができるレベルなのか
ということを見極めていくということが
重要だということなのです。


そこで、もし、教育が必要であれば、
そのスタッフには、仕事の基礎教育の
反復をさせなければなりません。

最近、子供の教育の場面で注目されている勉強法の一つとして、
百マス計算というのがあります。
基礎的な計算問題を、時間を計りながら
継続して行なっていくというものですが、
仕事の教育の場面でもそういうことが必要になるのです。

そういった、基礎的な教育を徹底して行うことを飛ばして、
応用問題を解くことは、とても困難を強いられます。


私の経営していた店では、ベテランスタッフに対しても、
月1回は、考え方の意思統一を目的とした、
基礎的な教育を行なっていました。


コーチング研修に参加しても、
実践では何も使えないという方は、
この部分を見過ごしてしまっていることが
原因になっているのではないかと思います。


現場への権限委譲や責任のある仕事を任せて行くことで、
スタッフのモチベーションをあげよう
というやり方が流行っているようですが、

そのことについても、仕事の基礎教育ができていてこそ
初めて機能することなのだと思います。

マネジメントの中で、
コーチングを行なうときに最も大切なことは、
コーチングを行ってもよいレベルのスタッフを見極めることと、
その対象となるスタッフを、基礎教育の徹底により、
どんどん増やしていくことなのです。

そうなると、コーチングの対象となる
スタッフが増えていき、
彼ら彼女らとコーチングの時間を持つことは、
マネージャーにとって楽しみとなっていくはずです。






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